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2026年10月12日 ・ 読了目安 7 分

介護休業給付金とは?93日・3回・給付率67%と申請期限(終了日の翌日から2か月後の月末)を解説

介護休業給付金は、雇用保険の被保険者が要介護状態の家族を介護するために介護休業を取ったとき、休業前賃金の67%が支給される給付です。同じ対象家族について通算93日まで、3回までに分けて受け取れます。申請は原則として事業主がハローワークに行い、期限は「各介護休業の終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日」です。育児休業と違い、介護休業中の健康保険・厚生年金保険料は免除されません。

本記事は一般的な制度の目安を紹介するものであり、法的助言ではありません。個別の顧問先における該当可否・正確な申請時期は、必ず厚生労働省・ハローワークの公式情報でご確認ください。

介護休業給付金とは(要点の一覧)

項目内容
根拠雇用保険法第61条の4(給付率67%は附則第12条の暫定措置で、条文上は「当分の間」)
給付額休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(支給単位期間ごとに計算)
回数・日数同じ対象家族について、通算93日まで・3回まで
対象家族配偶者(事実婚を含む)・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫(養父母・養子を含む)
給付の上限額1支給単位期間あたり366,222円(令和9年7月31日までの額)
申請する人事業主(やむを得ない場合や本人が希望する場合は、被保険者本人も可)
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も可)
申請期限各介護休業の終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日

介護休業給付金の支給要件

  • 雇用保険の被保険者であること:一般被保険者と高年齢被保険者が対象です(短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者は対象外)。
  • 休業開始日前2年間に、被保険者期間が12か月以上あること:賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上必要です。令和2年8月1日以降に休業を開始した人は、11日以上の月が12か月に満たない場合、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の完全月も1か月として数えます。
  • 要介護状態の対象家族を介護するための休業であること:「要介護状態」とは、負傷・疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態です。
  • 休業の初日と末日を明らかにして事業主に申し出て取得した休業であること:申出書の書式に決まりはありませんが、リーフレットに参考様式が載っています(対象家族の状況・休業期間・これまでの介護休業の回数と日数など)。

次の場合は支給対象になりません。休業の開始時点で、休業終了後に離職することが予定されている場合。期間雇用者の場合は、休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかな場合。また、介護休業は産前産後休業中に開始できません。介護休業中に別の家族の介護休業・産前産後休業・育児休業が始まると、その開始日の前日で当初の介護休業は終了し、それ以降の分は支給対象外になります。

支給額の計算(休業前賃金の67%)

介護休業給付金は、休業開始日から1か月ごとの期間(支給単位期間)ごとに計算します。1回の介護休業で支給対象になるのは開始日から3か月までで、最大3支給単位期間です。支給額は原則として「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で、支給日数は、最後の期間以外は30日、休業終了日が属する期間はその期間の日数です。

休業開始時賃金日額は、原則として休業開始前6か月間の賃金を180で割った額です。賞与など臨時に支払われる賃金や、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含まれません(雇用保険法第17条)。日額に30を乗じた賃金月額には上限と下限があり、リーフレット記載の令和9年7月31日までの額は次のとおりです。

項目金額(令和9年7月31日まで)
賃金月額の上限546,600円(上限を超える場合は546,600円で計算)
1支給単位期間あたりの給付上限額366,222円
賃金月額の下限96,090円(下回る場合は96,090円で計算)

計算例です。月給30万円(賞与なし・6か月で180万円)の人なら、賃金日額は1,800,000 ÷ 180 = 10,000円、賃金月額は10,000 × 30 = 300,000円で、30日分の支給額は300,000 × 67% = 201,000円です。

休業中に会社が賃金を払った場合

支給単位期間中の賃金支払日に、介護休業期間を対象として賃金が支払われた場合は、賃金と給付金の合計が賃金月額の80%を超えないよう調整されます。上の例(賃金月額300,000円・80%は240,000円)で整理すると次のとおりです。

休業中に支払われた賃金賃金月額に対する割合介護休業給付金
39,000円以下13%以下賃金月額の67%(201,000円)をそのまま支給
50,000円の場合13%超〜80%未満賃金月額の80%(240,000円)との差額 = 190,000円
240,000円以上80%以上支給されない

93日・3回のルール(分割取得の考え方)

同じ対象家族について、介護休業給付金が支給されるのは通算93日まで、3回までです(雇用保険法第61条の4第6項。4回目以降の介護休業、および93日に達した日より後の介護休業は支給されません)。対象家族が変われば、また新たに93日・3回で数えます。リーフレットの例では、1回目に令和8年6月1日〜7月31日(支給日数61日)を取得した場合、同じ家族の2回目は通算93日まで、つまりあと32日分が支給対象です。

回介護休業の期間(リーフレットの例)支給日数
1回目令和8年6月1日〜7月31日61日(6/1〜6/30の30日 + 7/1〜7/31の31日)
2回目令和8年9月1日〜10月2日32日(9/1〜9/30の30日 + 10/1〜10/2の2日)= 通算93日

もう1つ見落としやすい条件があります。1つの支給単位期間の中で、就業していると認められる日(全日休業している日以外)が10日以下でなければ、その期間は支給対象になりません。休業終了日が属する1か月未満の期間は、就業日が10日以下で、かつ全日休業している日が1日以上必要です。支給単位期間の途中で離職した場合も、その期間は支給されません。

申請手続と提出期限

手続は2本立てです。事業主が提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」と、「介護休業給付金支給申請書」です。

書類提出する人提出期限
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書事業主介護休業給付金支給申請書を提出する日まで(事業主経由で提出するなら、支給申請書と同時で可)
介護休業給付金支給申請書事業主(やむを得ない場合や本人が希望する場合は本人)各介護休業の終了日(3か月以上にわたるときは、開始日から3か月を経過する日)の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日

期限は介護休業ごとに数えます。分割して取得した場合は、1回の休業が終わるたびに申請します。リーフレットには「終了日が7月25日なら、7月26日〜9月30日」という例が載っています。同じルールを当てはめると次のようになります(2行目以降は本記事の計算です)。

介護休業の終了日申請期限
7月25日9月30日(リーフレットの例)
5月31日開始で3か月以上の休業(3か月を経過する日は8月30日)10月31日
4月10日6月30日

支給申請書に添付する書類

  • 介護休業申出書(被保険者が事業主に提出したもの)
  • 対象家族の氏名・本人との続柄・性別・生年月日などが確認できる書類(住民票記載事項証明書など)。被保険者と家族が同一世帯で、申請時に双方のマイナンバーを届け出た場合は、続柄を確認できる書類を省略できます
  • 介護休業の開始日・終了日と、休業期間中の休業日数の実績が分かる書類(出勤簿・タイムカードなど)
  • 介護休業期間を対象として支払われた賃金が分かる書類(賃金台帳など)

支給申請書には、被保険者と介護対象家族のマイナンバーを記載します。被保険者本人の氏名は、事業主が内容を本人に確認し「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」を作成・保存すれば、記載を省略できます。支給が決まると支給決定通知書が届き、約1週間後に被保険者本人の口座へ振り込まれます。

育児休業給付金との違い(社会保険料は免除されない)

項目介護休業給付金育児休業給付金
給付率67%(休業全期間・93日が上限)67%(開始から180日まで)、181日目以降は50%
健康保険・厚生年金保険料の免除なし(給与が出なくても支払いが必要)あり(事業主が年金事務所に申し出ると、本人・事業主の両方が免除)

日本年金機構の保険料免除は、産前産後休業と、満3歳未満の子を養育するための育児休業等が対象で、介護休業は含まれません。そのため、給与が出ない介護休業中も、健康保険・厚生年金保険・介護保険の本人負担分は発生し続けます。雇用保険料は、給与が支払われなければ生じません。リーフレットの「介護休業取扱通知書」の参考様式にも、休業中は給与から天引きできなくなるため、会社が月ごとに支払請求書を送付する記載例があります。顧問先には、休業に入る前に本人負担分の集金方法(振込・持参など)を決めておくよう案内しておくと安心です。

顧問先に確認しておきたいこと

  • 休業後に退職する予定がないか:開始時点で離職予定があると、給付金は支給されません。
  • 被保険者期間が足りているか:入社1年未満の従業員は、休業開始前2年間に完全月が12か月あるかを先に確認します。
  • これまでの休業の回数と日数:同じ家族について何回・何日取得済みかを申出書の備考欄などで把握しておくと、残りの回数と日数を即答できます。
  • 休業中に賃金を払うかどうか:賃金月額の13%を超えて支払うと給付金が減り、80%以上なら支給されません。
  • 社会保険料の本人負担分の集金方法:免除がないため、休業に入る前に決めておきます。

よくある質問

Q. 祖父母や兄弟姉妹の介護でも対象になりますか?
A. 対象です。配偶者(事実婚を含む)・父母・子・配偶者の父母に加え、祖父母・兄弟姉妹・孫も対象家族に含まれます(リーフレット記載)。

Q. 介護休業が3か月を超えた場合、超えた分も給付されますか?
A. されません。1回の介護休業で給付金の対象になるのは、開始日から3か月までの最大3支給単位期間です。同じ家族について通算93日・3回の枠が残っていれば、別の回の休業として申請できます。

Q. 高年齢雇用継続給付を受けている人が介護休業を取ったら?
A. 高年齢雇用継続給付の支給対象月の初日から末日まで引き続いて介護休業給付を受けることができるときは、その月の高年齢雇用継続給付は受けられません(リーフレット記載)。

Q. 本人が自分で申請してもよいですか?
A. やむを得ない理由で事業主を経由して提出するのが難しい場合や、本人が自ら手続を希望する場合は、被保険者本人が提出できます。その場合は、事業主が本人に交付する休業開始時賃金月額証明書と介護休業取扱通知書を添付します。

コモカンでの管理

コモカンには介護休業給付金の専用プリセットは現時点で用意していません。そのため、顧問先から介護休業の相談を受けたら、カスタム手続きとして「介護休業給付金 支給申請」などの項目名で登録し、期限日に上の方法で計算した日付を入れてください。期限日に対して60/30/14日前の段階アラートが表示されます。必要書類の枠(介護休業申出書・家族の続柄が分かる書類・出勤簿・賃金台帳など)も追加できます。休業を分割して取得する顧問先は、回ごとに手続きを分けて登録すると期限の取り違えを防げます。届出の代行や申請書の作成は行わず、期限の目安を示すサービスです。

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