2026年9月14日 ・ 読了目安 6 分
賞与支払届とは?提出期限・対象者・年4回以上支給した場合の扱いを解説
賞与支払届とは、事業主が被保険者(70歳以上被用者を含む)に賞与を支給した場合に、支給額等を日本年金機構へ届け出る手続きです。提出期限は支給日から5日以内。この記事では、対象となる「賞与」の定義、年4回以上支給した場合の扱い、標準賞与額の上限、賞与不支給報告書との違いを、日本年金機構の公式情報にもとづき整理します。
賞与支払届とは (提出期限は支給日から5日以内)
事業主が被保険者へ賞与を支給したときは、支給日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届(兼)厚生年金保険70歳以上被用者賞与支払届」により支給額等を届け出ます。算定基礎届や労働保険年度更新のような固定の暦日ではなく、顧問先ごとの賞与支給タイミングに応じて「支給日+5日」という計算式で期限が決まる点が、他の年次手続きと異なります。
対象となる「賞与」の定義 — 年3回以下の支給が条件
標準賞与額の対象となる賞与は、日本年金機構の定義では「労働者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の回数で支給されるもの」です。賞与、ボーナス、期末手当、年末手当、夏(冬)季手当などが該当します。
年4回以上支給する場合は「賞与」でなく「報酬」扱いになる
同じ性質の賞与を年4回以上支給する場合は、標準賞与額の対象となる「賞与」ではなく、標準報酬月額の対象となる「報酬」として扱われます。この場合、賞与支払届の対象にはならず、7月〜翌年6月に支給された賞与の合計額を12等分した金額を、通常の報酬月額に加算して算定基礎届・月額変更届に反映します。ただし、それまでの3回と性質が異なる一時金(例: 通常の賞与とは別に業績好調で出した決算賞与)が4回目に加わった場合は、年4回以上でも従来どおり「賞与」として賞与支払届の対象になることがあります。
標準賞与額の上限
| 保険 | 上限 |
|---|---|
| 健康保険 | 年度累計573万円 (毎年4月1日〜翌年3月31日) |
| 厚生年金保険 | 1回(1カ月)あたり150万円 |
健康保険は年度内の累計額に上限があるのに対し、厚生年金保険は支給1回あたりの上限である点が異なります。顧問先で複数回の賞与が発生する場合、この上限の違いを見落とすと保険料計算を誤りやすいポイントです。
賞与を支給しなかった月は「賞与不支給報告書」を提出
日本年金機構にあらかじめ登録している賞与支払予定月に、実際には誰にも賞与を支給しなかった場合は、賞与支払届ではなく「賞与不支給報告書」を提出します。提出がないと、年金事務所側で「届出漏れ」なのか「本当に不支給だった」のかを判別できず、提出勧奨の案内が送付されることがあります。なお、以前存在した「被保険者賞与支払届総括表」は2021年(令和3年)3月で廃止されており、同年4月1日以降の提出は不要です。
よくある質問
Q. 決算賞与も賞与支払届の対象になりますか?
A. 年3回以下の支給であれば対象になります。定期賞与とは別に一時的に支給する決算賞与のような性質の異なるものは、通算の支給回数が年4回以上になっても「賞与」として扱われることがあります。
Q. 70歳以上の従業員に賞与を支給した場合はどうしますか?
A. 厚生年金保険の被保険者ではなくなっていても、70歳以上被用者として同じ様式(被保険者賞与支払届と兼用の届出書)で提出します。
まとめ
賞与支払届は、支給日から5日以内という「固定の暦日ではなく起算日+日数」で期限が決まる年次手続きです。対象となる賞与の定義(年3回以下)、年4回以上支給時の報酬算入、標準賞与額の上限、賞与不支給報告書との使い分けを取り違えると、届出漏れや保険料計算の誤りにつながります。コモカンでは、算定基礎届・労働保険年度更新・賞与支払届・36協定更新の年次4種に加え、入社・退社・育児休業・労災の随時4種を合わせた8つの手続きをプリセットから選ぶだけで期限イベントを自動生成し、60/30/14日前の段階アラートで顧問先ごとの進捗を一覧管理できます。
出典・確認日
- ・日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」
- ・日本年金機構「賞与を支給したとき、賞与支払予定月に賞与が不支給のとき」
- ・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」(年4回以上支給される賞与の扱い)
- ・日本年金機構「令和3年4月からの賞与支払届等に係る総括表の廃止及び賞与不支給報告書の新設について」
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