2026年8月29日 ・ 読了目安 7 分
算定基礎届とは?対象者・提出期限・支払基礎日数17日ルールを解説
算定基礎届とは、毎年7月1日時点の全被保険者について、4〜6月に支払われた報酬をもとに社会保険料の基準となる標準報酬月額を見直す「定時決定」の届出です。提出期間は毎年7月1日から7月10日までの10日間。この記事では、対象者と提出が不要な4パターン、支払基礎日数17日未満の月がある場合の扱いを、日本年金機構の公式情報にもとづき整理します。
算定基礎届とは (定時決定の届出)
健康保険・厚生年金保険の保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけて算出します。この標準報酬月額を毎年1回、実際の報酬水準に合わせて見直す手続きが「定時決定」で、その届出書が算定基礎届です。7月1日現在で使用される全被保険者・70歳以上被用者について、直前3カ月 (4月・5月・6月) に受けた報酬の平均額をもとに、9月分保険料から適用する標準報酬月額を決定します。
提出期間は毎年7月1日〜7月10日
提出期間は毎年7月1日から7月10日まで (10日が土日の場合は翌営業日) です。日本年金機構は例年5月末頃に案内を送付し、6月中旬より順次様式が事業所へ発送される運用になっています。電子申請が推奨されていますが、書面での提出も可能です。
対象者と、提出が不要な4パターン
算定基礎届の対象は「7月1日現在の全被保険者・70歳以上被用者」が原則ですが、以下のいずれかに該当する人は提出が不要です。
| 提出が不要なケース | 理由 |
|---|---|
| 6月1日以降に資格取得した人 | 4〜6月の報酬実績が3カ月そろわないため |
| 6月30日以前に退職した人 | 7月1日時点で被保険者でないため |
| 7月改定の月額変更届を提出する人 | 随時改定が定時決定より優先されるため (優劣関係は別記事参照) |
| 8月・9月に随時改定が予定されている旨を申し出た人 | 算定基礎届の報酬月額欄を空欄にし、備考欄「3.月額変更予定」に〇を付けて提出 |
なお、8月・9月の随時改定を見込んで算定基礎届を空欄提出した人が、結果的に随時改定の要件に該当しないと判明した場合は、あらためて算定基礎届 (報酬月額を記入したもの) を速やかに提出する必要があります。
支払基礎日数17日未満の月がある場合の扱い
標準報酬月額は、原則として4〜6月のうち支払基礎日数が17日以上ある月の報酬総額の平均で算出します。ただし、特定適用事業所に勤務する短時間労働者は基準が11日以上に緩和されます。3カ月とも17日未満だった場合の扱いは、短時間就労者かどうかでルールが分かれます。
| パターン | 報酬月額の算出方法 |
|---|---|
| 17日以上 (短時間労働者は11日以上) の月が1カ月以上ある | 該当月の報酬総額の平均を報酬月額とする |
| 短時間就労者で、3カ月とも17日未満だが15日以上17日未満の月がある | 15日以上17日未満の月の報酬総額の平均を報酬月額とする |
| 3カ月とも15日未満 | 従前 (前年度) の標準報酬月額を据え置く |
なぜ社労士事務所の繁忙期を作るのか — 労働保険年度更新との完全重複
算定基礎届の提出期間 (7月1日〜7月10日) は、労災保険・雇用保険の確定保険料申告と新年度概算保険料の申告をあわせて行う「労働保険 年度更新」の提出期間 (6月1日〜7月10日) と完全に重なります。年度更新の対象期間そのものは前年度の実績ですが、締切の10日間は算定基礎届と丸ごと共有される形になり、顧問先数が多い事務所ほど同じ10日間に両方の提出物が集中する構造になっています。
よくある質問
Q. 算定基礎届と月額変更届の両方に該当したらどうなりますか?
A. 7月・8月・9月に随時改定の要件に該当する場合は、月額変更届による改定が算定基礎届による定時決定より優先されます。算定基礎届の提出後に該当が判明した場合も、あらためて月額変更届の提出が必要です。
Q. 記入方法の詳細はどこで確認できますか?
A. 日本年金機構が「算定基礎届の記入・提出ガイドブック」を毎年度公開しています。個別の記入例はこちらで確認してください。
まとめ
算定基礎届は、7月1日現在の全被保険者を対象に4〜6月の報酬から標準報酬月額を見直す年次手続きで、提出期間は毎年7月1日〜7月10日の10日間です。同じ10日間に労働保険年度更新の締切も重なるため、顧問先数が増えるほど繁忙期の負荷が跳ね上がります。コモカンでは、算定基礎届を含む年次4種・随時4種の計8つの手続きをプリセットから選ぶだけで期限イベントを自動生成し、60/30/14日前の段階アラートで顧問先ごとの進捗を一覧管理できます。
出典・確認日
- ・日本年金機構「算定基礎届のご提出について」
- ・日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」
- ・日本年金機構「8月、9月の随時改定予定者にかかる算定基礎届の提出について」
- ・日本年金機構「算定基礎届と月額変更届(7月・8月・9月改定分)では、どちらの標準報酬月額が優先されますか。」
- ・厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」
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