2026年9月2日 ・ 読了目安 6 分
労働保険年度更新とは?提出期間・延納(分割納付)の条件をわかりやすく解説
労働保険年度更新とは、労災保険・雇用保険の保険料について、前年度分の実際の賃金総額で保険料を確定させる「確定保険料」の申告・精算と、新年度分をあらかじめ見込みで納める「概算保険料」の申告・納付を、毎年まとめて行う手続きです。提出期間は毎年6月1日から7月10日までの40日間。この記事では、申告のしくみと、概算保険料をまとめて払えない場合の延納 (分割納付) の条件を、厚生労働省の公式情報にもとづき整理します。
年度更新とは何を申告する手続きか
労働保険 (労災保険・雇用保険) の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までを単位に、賃金総額の見込み額をもとに前払いする形で納めます。しかし年度が終わるまで実際の賃金総額は確定しないため、年度更新では①前年度分の実際の賃金総額から算出した「確定保険料」を精算し、②新年度分の賃金総額の見込みから算出した「概算保険料」をあらためて申告・納付する、という2つの計算を同時に行います。前年度に概算で多く払いすぎていれば新年度分と相殺され、不足していれば追加で納付します。
提出期間は毎年6月1日〜7月10日
提出期間は毎年6月1日から7月10日までの40日間です。申告・納付は、管轄の都道府県労働局・労働基準監督署への書面提出のほか、電子申請でも可能です。資本金1億円超などの一定の法人は電子申請が義務化されており、紙の申告書ではなく電子申請用の情報が記載された通知書が送付されます。
概算保険料は延納 (分割納付) できる — ただし条件あり
概算保険料は、次のいずれかに該当する場合に限り、3期に分けて納付する延納が認められています。確定保険料の不足分については延納の対象外で、一括納付が必要です。
| 延納できる条件 | 内容 |
|---|---|
| 概算保険料が40万円以上 | 労災保険・雇用保険の両方の保険関係がある事業 (一元適用事業・二元適用事業とも) |
| 概算保険料が20万円以上 | 労災保険・雇用保険のどちらか一方のみの保険関係が成立している事業 |
| 金額にかかわらず延納可 | 労働保険事務組合に労働保険事務を委託している事業主 (この場合は第2期・第3期の納期限がそれぞれ14日延長される) |
3期の納期限 (前年度以前から継続している事業の場合)
延納を選ぶ場合、概算保険料は原則として次の3期に分けて納付します。10日が土日にあたる年は翌営業日にずれます。
| 期 | 対象期間 | 納期限 |
|---|---|---|
| 第1期 | 4月1日〜7月31日分 | 7月10日 |
| 第2期 | 8月1日〜11月30日分 | 10月31日 |
| 第3期 | 12月1日〜3月31日分 | 1月31日 |
年度の途中 (6月1日〜9月30日) に保険関係が成立した事業所は、第1期の納期限が成立日から50日以内に変わるなど扱いが異なります。10月1日以降に成立した事業所は延納自体が認められず、成立日から翌3月31日までの保険料を一括で納付します。
なぜ社労士事務所の繁忙期を作るのか — 算定基礎届との完全重複
年度更新の提出期間 (6月1日〜7月10日) は、算定基礎届の提出期間 (7月1日〜7月10日) と重なります。締切の10日間 (7月1日〜7月10日) は両方の提出物が完全に一致するため、顧問先数が多い事務所ほど同じ10日間に確定・概算保険料の計算と算定基礎届の作成が集中する構造になっています (算定基礎届の詳細は別記事で解説しています)。
まとめ
労働保険年度更新は、前年度分の確定保険料の精算と新年度分の概算保険料の申告・納付をあわせて行う年次手続きで、提出期間は毎年6月1日〜7月10日です。概算保険料が40万円以上 (労災・雇用いずれか一方のみなら20万円以上) であれば3期の延納が選べますが、確定保険料の不足分は延納できません。コモカンでは、年度更新を含む年次4種・随時4種の計8つの手続きをプリセットから選ぶだけで期限イベントを自動生成し、60/30/14日前の段階アラートで顧問先ごとの進捗を一覧管理できます。
出典・確認日
本記事の他社サービスに関する記述は 2026-09-02 時点で公開されている情報に基づきます。料金・仕様は変更される場合がありますので、最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。